名古屋地方裁判所 昭和58年(ワ)553号 判決
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【判旨】
7後遺障害による損害
<証拠>を総合すると、原告は右症状固定の昭和五五年一二月二三日当時第二ないし第四腰椎変形症兼脊髄不全麻痺と診断され、左足関節背屈屈障害、腰椎前後屈障害、左下肢筋萎縮、両足しびれ感等の障害があり、独立歩行は困難で松葉杖を要し、五分以上の正座は困難であり、和式便所は使用不能等日常の起居動作にも相当不便をきたし、従前のタクシー運転手の就労のみならず一般の労務に服することは極めて困難なものと認められ、右症状固定直前の昭和五五年一一月五日付で三重県知事より身体障害者等級別第二級の障害者手帳の交付を受けている事実が認められる。(原告は更に随時介助を要する状態であるというが、<証拠>によれば、原告は松葉杖、時には車椅子を使用しかつ他人の車に同乗してではあるが遠隔地に頻繁に出かけ、行政事件訴訟の原告となり自らその訴訟を遂行し、昭和五七年頃は身体障害者用の自動車を運転する等の行動も認められ、到底右主張のような状態とは認められない。)また、<証拠>によれば、原告は昭和三八年二月に労務災害により、同四二年一二月には別の交通事故によりそれぞれ重大な傷害を負い、右のいずれかにより第二ないし第四腰椎圧迫骨折が生じ本件事故当時すでに右傷害による体幹機能障害があつて三重県知事より昭和四九年八月三一日付(再交付)で身体障害者等級別第五級の身体障害者手帳の交付を受けている事実が認められる。そして、<証拠>によれば、本件事故後の本件後遺障害は、直接的には右既存障害に本件事故による衝撃が加えられて発生したものと考えられるが、更に既存の腰椎損傷に加令変化があつて、本件後遺障害を増強し持続しているものと認められ、かつ終生改善は困難なものと認められる。
(一) 逸失利益 一二三八万五〇九四円
原告は右後遺障害発生の当時、満五四才一一か月であるところ、本件事故がなければ少くとも一二年間は本件事故当時の状況で就労できたというべく、その就労は極めて困難となつたところ、本件事故当時の月収は一六万円であること前認定のとおりであるから、本件事故による逸失利益は既存障害の本件後遺障害に及ぼす影響を考慮し、その七割とするのが相当であり、ホフマン式係数により年五分の割合により中間利息を控除して算出すると一二三八万五〇九四円となる。
(二) 慰謝料 八〇〇万円
本件後遺障害の程度、既存障害との関係、障害の持続期間等諸般の事情を考慮した慰謝料相当額。
以上合計二三六六万〇八二七円
(浅野達男)